家づくりをはじめる前にpreparation

これから家づくりをはじめる方へ読んでいただきたい
知っているとちょっと得する10個のお話

1家づくりは何から始めたらいいの?

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家を建てるにはまず「土地探し」から。大抵の方はそうお考えになると思います。

実際に住宅展示場や完成見学会へ足を運び建てたい家のイメージが既に決まっていたとしても、土地が決まっていなければ、設計まで中々進むことが出来ません。

だからといって、焦って土地探しから始めてしまうと、住宅分の予算が不足し、諦めなければならないことが発生したり、実は予定していた住宅ローンが組めないような土地だったり、思い描いていた家づくりが出来ない事態になってしまう可能性があります。

手遅れになるその前にまずはじっくり「資金計画」から始めることが大切です。

2「資金計画」の重要性って?

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お客様としても、当社としても、目指すべきゴールは「家を建てること」ではなく、「幸せな暮らしを送ること」です。

一生懸命働いて貯めたお金で家を建てる。家を建てた後は、残ったローン返済のために一生懸命働く。外食の数は減らして、家族旅行はしばらく我慢。家を建てた直後は頑張れても、何年も続けていくうちに次第に疲れてしまうのではないでしょうか。

せっかくのマイホームは、長年もずっと「安心できる場所」でいて欲しい。そのためにも、これまでとこれからの暮らしを考えた「無理せず幸せに暮らせるための」資金計画を立てることが大切です。

3失敗しない資金計画を立てるには

いざ住宅会社と一緒に資金計画を立てても、中々上手くいかない場合は大いにあります。

資金計画を成功させる基本のポイントは3つです。

1.土地と建物以外の諸費用の事前計算

「諸費用」とは、登記費用や保険料の事務的なものだけではなく、新居にあわせて購入する家具、引っ越し費用、仮住まい費用なども含めます。個人差はありますが、いずれにせよ軽視できる金額ではありません。そのため、この「諸費用」も含めた予算組みが必要となってきます。

2.建物自体にかかる具体的な金額感の把握

住宅展示場や完成見学会で、「この家はいくらですか?」と聞いてみても、オプションの有無や何かしらの費用が含まれるなど会社によって基準となる金額提示は変わってきます。住宅業界では価格表示の基準を各社で設定できるため、一見安く見えたものが「本体費用のみ」の掲載であったり、逆に高く見えていても、実は「付帯設備込み」で結果的に安かった、といった場合もあります。

そのため、目の前の金額だけに惑わされないよう、住宅にかかる費用の知識を持っていることが大切です。「入口価格」ではなく「出口価格」を把握した上で、判断するようにしましょう。

3.住宅ローン選び

資金計画で一番難しいところが「住宅ローン」です。住宅業界も常に勉強が必要なくらい、複雑な内容で構成されています。しかしポイントを押さえて苦手意識を取り除けば、住宅会社に任せきりではなく、お客様自身でも住宅ローンを検討することが出来ます。

住宅ローンは、細かくわけると約5,000種類あると言われていますが、各金融機関が一部条件を変えてオリジナルプランを提示している数字がそれであり、実は大きく分けると「変動金利」「固定金利選択型金利」「固定金利」の3種類しかありません。まずはこの3種類からご自身に合うものを見つけ出していきましょう。

4住宅ローンの3大特徴

変動金利
メリット 金利が安いため、自己資金が多い方向け
デメリット 市場によって貸出金利が変動するため、返済額の予測が難しく、ローン頼りの方には不向き

半年ごとに金利を見直す変動金利ですが、もし金利が上がったとしても、5年間は一定の返済額が保証されます。5年経過後に金利が反映、上昇する場合は、利息の割合が増え、元金が中々減らないといった状況になることも。

例:返済額70,000円の金利上昇例
上昇前…元金45,000円、利息25,000円
上昇後…元金35,000円、利息35,000円

しかし金利が上昇した場合でも、返済額は現在の支払額の1.25倍以上にはならない制限があります。上記の例でいえば、87,500円以上返済額が上がることはありません。

名前の通り返済額の変動はありますが、極端に金額が上がるわけではないため、自己資金と相談しながらの調整が必要です。

固定金利選択型金利
メリット 固定期間が短ければ短いほど金利が安い
デメリット 返済額の上限が設定されていない

変動金利と内容は似ており、一定期間金利を固定することが可能ですが、期間終了後は変動金利に変更されるパターンがあります。

そのため変動金利と同じように、借入金額が少なく、万が一金利が上がった場合でも返済が可能な自己資金が多い方向きの内容です。

固定金利
メリット 返済額が変わらない
デメリット 貸出金利が高く、初期費用がかかる

固定金利では、住宅金融支援機構の『フラット35』が代表的です。

一生涯返済額が変わらない安心がある一方で、手数料や金利といった費用がかかるため初期費用やランニングコストを含め、事前の予算計上を念入りに行う必要があります。

5資金計画をはじめるタイミング

資金計画は住宅本体のことだけを考えるのではなく、土地や家具、維持費など全体の予算に関わってくるため家づくりを始める最初の段階で行う必要があります。

その資金計画の中でも最初に考えることが「住宅ローン選び」です。

「住宅ローン」の借り入れ金額を決めるには、以下の3つをもとに決めていきます。

  1. 1.金利のタイプ
  2. 2.返済期間
  3. 3.月々の返済額
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一般的に、返済期間は最長35年と言われています。もちろん35年より短く設定することも可能ですが、あまり短くしてしまうと借入額が少なくなってしまうため、焦らず、予算とあわせて検討しましょう。

家を建てるときには、生命保険の見直しも大切になります。それは住宅ローンを借りる時に、団体信用生命保険の加入が必須だからです。

団体信用生命保険の補償はとても手厚く、ローン加入者に万が一のことがあった場合、住宅ローンがその保険金で相殺されるようになっています。

その補償の手厚さがあるならば、それまで加入していた保険を削る選択肢も生まれるかもしれません。

調整した分で、固定資産税や修繕費用の積立て等に充てるなど新たなライフプランニングの可能性が見えてきます。

是非保険の見直しを前向きに捉え、返済金額を算出してまいりましょう。

6家づくりにかかる諸経費について

諸経費とは、主に以下の3つのことを指します。

  1. 1.住宅ローン借入時に銀行へ支払う経費
  2. 2.火災保険・地震保険料
  3. 3.登記費用
1.住宅ローン借入時に銀行へ支払う経費

一般的に固定金利選択型の住宅ローンでは、以下3つの経費が必要となります。

  • 印紙代
  • 事務手数料
  • 保証料

例えばこれがフラット35の場合だと、全く違う経費がかかってきます。

  • 融資手数料
  • 印紙代
  • 団体信用生命保険料
  • つなぎ融資手数料
  • つなぎ融資金利

同じ固定金利選択型の住宅ローンだったとしても、銀行や借入れする人によって条件が変わってきますので、注意が必要です。

2.火災保険・地震保険料

火災保険を選ぶ際の基本事項として、まず「建物のみ」にするか、「家財」まで含むのかを決めましょう。

次に、補償範囲を「火災のみ」にするか、「水災」のような自然災害まで含むのかを決めます。ここ最近、自然災害が増えていることから、補償範囲を広げている方も多いようです。

また、火災保険の価格は「建物の構造」によっても左右されます。

木造住宅は「耐火(T構造)」と「非耐火(H構造)」の二つに分類され、耐火構造に比べると、非耐火構造の場合は、なんと60%程料金が高くなります。安全面はもちろん、費用面も考えた上で、構造をどうするかは慎重に判断しましょう。

地震保険の基本事項は5つあります。

  1. ①保険会社の条件は全社共通
  2. ②火災保険と地震保険はセット加入が必須
  3. ③5年更新が基本
  4. ④耐火構造なのか否かで保険料が変わる
  5. ⑤最大補償価格は建物の半額分

⑤にもあるとおり、地震保険は建て替え補償というよりも、当面の生活補助資金として考えておきましょう。

3.登記費用

登記の種類には、以下のものがあります。

  • 所有権移転登記…土地を買った時に名義を売主から買主に移すための登記
  • 建物表示登記…新築したときに構造や面積、敷地との関係を示す登記
  • 建物保存登記…新築した家が自分の持ち物であると第三者に示すための登記
  • 抵当権設定登記…融資した銀行が土地や家を担保に入れたことを第三者に示すための登記
  • 建物滅失登記…建て替えするにあたり、元の家を取り壊したことを証明するための登記
  • 土地地目変更登記…畑や田んぼといった農地や雑種地などを、宅地に変更するための登記

土地から購入する場合や建て替えの場合によって種類は変わってきますが、上記の6種類が基本的に押さえておけば、あとはプロに全てお任せいただけます。

土地探し、家づくりを始める前にはまずこれだけの経費がかかることを念頭に入れて資金計画を立てましょう。

7土地探しをはじめる前に

土地探しから購入にいたるまでの経費は以下になります。

  • 土地代金
  • 不動産業者への仲介手数料※最大で、土地代金の3%+6万円(+税)
  • 固定資産税精算金
  • 境界基礎工事代金※分譲地で隣との境に作るブロックやフェンス等の基礎費用(折半の場合が多い)
  • 水道加入金
  • 所有権移転登記費用

上記の他にも、地域によっては排水負担金や水道引込工事費など状況に応じて費用感が変わります。

単純な土地代だけではなく、こういった費用を差し引いた上で、土地予算を組んでまいりましょう。

8土地は「南向き」がいいの?

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土地探しで欠かせないのが「日当たり」問題です。「日当たりが良い=南向きの土地」が一般的とされていますが、必ずしも南向きが最良かと言われると、そうではありません。

多くの方が南向きを求めているため価格が高いのは勿論、手に入れることが大変難しく、また日当たりが良かったとしても人通りが多ければカーテンを一日中閉め切らなければならず、勿体ないことに。

「南向き」だからといって安心ではなく、環境によっては、住宅設計時に工夫が必要になることもあります。

実際のライフスタイルをイメージしながら土地を見定めていきましょう。

9土地を見極めるポイント

「高い土地」は「良い土地」なのか。「安い土地」は「悪い土地」なのか。一概にそうとも言い切れないのが土地探しの難しさです。

土地探しのポイントは以下です。

良いと思った土地に、最低6回は足を運ぶこと

タイミングは、「平日の朝昼夜」と「休日の朝昼夜」にしましょう。日の入り方はもちろん、人の動きや周囲の明るさがこの6回では大きく違っていると思います。

また土地までのルートや周辺の状況も時間帯、季節によって変わってきます。ついつい休日の都合上、見に行く時間帯が偏ってしまいがちですが、暮らしてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、なるべく何度も通うことをおすすめします。

ご近所リサーチ

ある程度は業者から近隣の情報を知ることは出来るものの、やはり実際に自分で見て聞いた感覚が一番大切です。震災や浸水など自然災害の心配は、ハザードマップをチェック。通学路や病院のアクセスなどは、直接行って確かめましょう。中々勇気が必要ですが、近隣の方に話しかけるのもひとつの方法です。

住宅会社と一緒に土地を見に行くこと

理想の家を思い描いていても、土地がなければ建てることは出来ませんし、土地があっても、条件によっては建築不可能な場合もあります。私たち住宅会社としても、より詳細なプランを練ることが出来、より具体的なお見積りをご提示することが出来ます。当社でもお声がけいただければ、是非ご同行させていただきます。プロの視点も参考にしながら、皆様にとっての「良い土地」を見つけ出しましょう。

10坪単価で知っておくべきポイント

「坪単価」についてご質問をいただくことがよくあります。土地を選ぶ基準としてわかりやすいためチェックしておくことはもちろん大切なのですが、坪単価のみで判断をしないよう注意が必要です。

坪単価について知っておくべきポイントは以下です。

家の形状によって大きく左右される

例えば延床面積が同じだったとしても、1階が広く2階が小さい家と、1階と2階が同じ広さの家(総二階の家)では坪単価は変わってきます。平屋の場合も同じく、2階建て、3階建てとは全く坪単価が異なります。

使用モジュールの違いにも左右される

今回のモジュールは、柱が立つ間隔についてを指しますが、「メーターモジュール」では1m間隔で柱が立つ一方で、「尺モジュール」では、91cm間隔で柱が立ちます。数値を見てもわかるとおり、この使用モジュールがどちらなのかでも坪単価が変わってきます。「坪単価が安い!」と思った場合でも、それは使用モジュールが違うだけかもしれません。判断がつかない場合は是非当社にご相談いただければと思います。

「延床面積」と「総施工面積」なのかを確認する

延床面積とは家の床面積のことであり、主に図面に記載されている数値が延床面積です。総施工面積とは、ベランダや吹き抜け、ロフトといった図面外の数値も含めます。通常、見積金額の総額を延床面積で割った数字を「坪単価」としている住宅会社も多いですが、中には総施工面積で割った数字で伝えているところもあります。そうなった場合、かなりの価格差が発生します。先程のモジュール同様、「延床面積」基準なのか、「総施工面積」基準なのかを確認してから比較検討されると、より具体的な資金計画が見えてきます。

「入口価格」と「出口価格」の違い

これはどこまでの工事費用が見積もり内に含まれているのか、というものです。住宅会社のホームページで、時々「付帯工事」という文字を目にすると思います。家を建てるにあたって付帯的に必要になってくる工事のことで、例えば、仮設トイレや仮設水道、仮設電気に仮設足場といった仮設工事が挙げられます。また、地盤調査費用や、各種保証費用、設計費用・建築確認申請・検査費用、屋外の水道工事や電気外線の引込工事なども含まれます。

単純に坪単価が安いといっても、何を金額に含めるか、含めないかは各企業によって様々です。そのため、坪単価だけでは判断せず、どんな材料を使っているか、どういう規格なのか、実際に建っている家やモデルハウスを見学しながら詳しく説明を受けるのが一番です。

その中で、もし聞けるようであれば、ここまでお伝えした「モジュール」や「面積」の違いなどもスタッフの方に聞いてみてください。知れば知るほど楽しくなり、そして理想の家づくりに一歩近づくと思います。